ユーロ圏の物価上昇と南北格差を知る!
EU(欧州連合)の欧州委員会は、3月1日に2011年の実質経済成長率を上方修正しました。ユーロ圏では1.6%、EU全体の27ヶ国では1.8%と、ともに2011年11月の予測から0.1ポイントの上方修正となっています。経済大国であるドイツがけん引役として、内外需が底堅く伸びると見込まれているようです。
また、ユーロ圏の成長率を四半期毎に見てみると2011年4〜6月期で0.3%の減速となりますが、年間で見ると1%台半ば程度の成長を見込んでいます。しかしながら、ユーロ圏では景気の南北格差が大きいことが悩みの種でもあります。ユーロ圏経済を事実上引っ張っているドイツの実質成長率は2.4%、フランスは1.7%になりますが、一方のスペインは0.8%と低いことが頭が痛いところです。
さらにユーロ圏を悩ませているのが、物価上昇圧力(インフレ懸念)です。ユーロ圏の2011年消費者物価指数(CPI)の上昇率予想は2.2%、EU全体で見ると2.5%となっており、ともに昨年11月から0.4ポイントの上方修正となっています。この背景には、中東・北アフリカ情勢の混乱による原油価格の上昇、異常気象や天変地異による不作の食料品高、それらの市場に入り込む緩和的な金融政策を実行している主要国の余剰マネーの上方修正が根底にあります。
ECB(欧州中央銀行)では、年末にかけて消費者物価の上昇率が2%近くに落ち着くと見ているようですが、中東・北アフリカ情勢はみなが思っている以上に長引くこともありえるため、原油価格が高値を維持する可能性もあります。もしそうなれば、インフレ懸念のリスクは今以上に高まることになります。
3月16日にEU(欧州連合)統計局(ユーロスタット)が発表した、2月のユーロ圏CPI(改定値)では前年比2.4%となり、3月1日に発表された速報値と変化はありませんでした。しかしながら、2月のインフレ率は1月の2.3%から上昇、2008年10月以来の高水準を記録して、ECBが目安とするインフレ目標「2%未満2%近く」を3ヶ月連続で上回るカタチになりました。
教科書的に見ると、ECBの利上げ観測が高まってユーロ買い圧力が高まるところではありますが、日本の原発問題が世界的な景気を後退させるのではという懸念もあり、利上げ観測が一歩後退しているという見方もあります。
ユーロ圏では南欧の財政問題が残っており、景気が回復しきれていない中でこのままインフレが上昇すれば、労働者の賃金が抑制されてしまい、消費者による購買力低下を招きかねません。個人消費の低迷を招いて、失業者の更なる増加も視野に入れていなければいけませんね。ユーロ圏の経済問題は解消されることなく、今後も続くことになりそうです。
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